日本法人設立でMH機器市場への攻勢を本格化

CE0Iに田中純夫氏が就任、新型AS/RS投入も発表
Rainbow Dynamics[英国]


欧米市場で積み重ねたAS/RSの導入実績
日本市場は今後の事業成長のための主戦場

写真1 日本法人の代表取締役CEOに就任した田中純夫氏

Rainbow Dynamicsは、4方向レッ トシャ トルAS/RS [4D Pallet Shuttle」 や前述の ト-ト · ケ-ス対応GTP型AS/RS「RackBot」を核とした物流施設向け自動化機器を展開している。WMS、WCSも独自開発しており、ロボット群の制御から物流業務全体の最適化までを支援。さらに顧客側のERPや上位システムとの柔軟な連携を前提としたオープンア一キテクチャの採用により、ハード·ソフトの両面から顧客物流施設の自動化を実現し、特に欧米で導入実績を積み重ねてきた。

メリ-ラン ド州ジェHッ7では、Alliance Material Handling (MH機器の大手ステムインテグレーター)を通じ、世界最大級のEC企業が運営するクロスドックセンターのLTL(混載輸送)ネッ トワーク対応で「4D Pallet Shuttle」が導入され、省スぺース化と処理効率の向上を実現している。中国 ·上海の大藤物流RDC(RegionalDistribution Center)でも 「4D Pallet Shuttle」 が導入され、 ユ= ·チャ-ム製品を中心とした大量のパレット貨物の保管 ·出荷で高密度保管や入出庫能力向上、フォ一クリフト走行距離削減などを実現している。また、台湾でNippon Expressグループの現地法人が運営するBosch向けオムニチャンネル物流センターでは 「RackBot」が導入されており、作業者の歩行距離削減やSKU管理精度向上、作業標準化などの効果が確認されている。こうした海外での成功事例を踏まえ、同社は日本市場を今後のさらなる事業成長のための主戦場と位置付ける。今回の日本法人設立はその戦略の第一步となる。

日本市場では、物流施設の床面積制約や深刻な人手不足が顕著となるなか、庫内作業の自動化需要が急速に高まっている。また、国内MH機器メーカ一が受注拡大に拍車をかける一方、欧米のMH機器メーカー、あるいは中国の物流ロボットメーカーがさまざまなルートで次々と日本市場に参入し、受注競争は年々し烈さを増しているのが現状。Rainbow Dynamicsはタイミングとしてはやや後発だが、ハード ·ソフトの両面から自動化をサポートできる点は強み。今回の法人設立で日本市場での今後の受注活動に弾みをつける。

田中氏「長年培ってきた物流DXコンサルの経験を生かす」
チェン氏「当社AS/RSは日本市場で価値を発揮できる」

写真2 Rainbow Dynamics創業者兼CEOのチェン氏

日本法人設立パーティーであいさつした田中氏は「物流センターで新しい技術を導入しようとすると“ATフィールド”(人気アニメに出てくる防御システム)のような抵抗があります。これを新技術で突破したい」と述べ、会場を和ませた。さらに長年にわたる物流DX支援経験を振り返りながら 「我々だけで業界全体を変えることはできませんが、業界に一石を投じたいとは思っています。物流に彩りを加える“レインボー”の名にふさわしい技術を提供したい」と語った。また「我々の目的は設備を導入することではありません。顧客が抱える経営課題や物流課題を正しく理解し、その解決策として最適な仕組みを提供することが重要です。ご紹介したAS/RSはあくまでもその実現手段の一つに過ぎない。Rainbow Dynamics Japanでは今後、私が長年培ってきた物流DXのコンサルティング経験を生かしながら、顧客課題に応じて 『Rackbot』 や 『4D Pallet Shuttle』 を組み合わせた最適なソリュ一ションを提案することで、日本の物流業界に新たな可能性を生み出すことができると確信しています」と話した。

続いてRainbow Dynamicsの創業者でCEOを務めるアルフレッド ·チェン氏(日本法人では代表取締役会長、写真2)は、Rainbow Dynamics創業の背景を説明。2022年、GLP〔米国〕在籍時に訪れたフィラデルフィアの倉庫で、Amazonに買収されたKivaロボットの保守停止に直面した企業が代替技術を探していたことが創業(2023年)の契機になったという。チェン氏はさらに「物流施設で価値を生むのは保管とピッキングであり、倉庫業務全体の70%を占めるこれら領域に集中すべきだと思っています」と述べ、AS/RSを主力製品とした理由を語った。日本市場を選んだ理由については「人件費が高く、スぺースの制約もあります。当社のAS/RSが価値を発揮しやすい市場だと考えました」とし、「日本は当社が社会に貢献できる余地が大きいと思っています」と述べ、日本市場での事業拡大への意欲を示した。
また、来賓を代表して(一社)日本3PL協会·専務理事の加藤進一郎氏が登壇。田中氏の我が国WMS市場における実績を紹介し、「田中さんは90年代から日本市場に最適化されたWMSを提供されており、その功績は大きい。プロ経営者としての経験も豊富で、Rainbow Dynamicsの成長を牽引する存在になると確信しています」と期待を寄せた。加藤氏はまた、物流業界の生産性向上の必要性に触れ、「フィジカルAIへの重点投資が始まるなか、Rainbow Dynamicsの革新的な技術は大きな役割を果たすに違いありません」と述べた。
Rainbow Dynamics Japanは、日本市場向けの技術コンサルティング ステムア一キテクチャ設計、レイアウト構築、エンジニアリング支援を提供する。国内のシステムインテグレーターとの協業を強化し、間接販売モデルを軸に導入案件の拡大を目指す。物流施設の高度な自動化が進むなか、今後は日本現場の運用要件に合わせたシステム設計や導入後の運用支援が行える体制を整える。物流施設向け自動化設備の受注競争が激しさを増すなか、Rainbow Dynamics Japanが今後どこまでその力を示せるかが注目される。

[4D Pallet Shuttle」(写真3)とは
前後·左右·上下方向に移動可能なシャトル設計で、高密度保管と高スループットを実現する4方向パレットシャトルAS/RS。設備増設やレイアウト変更への柔軟な対応が可能で、将来的な物流量変化にも適応できる。導入後は、保管能力約50%向上、バレット処理能力約2倍向上、7ォ一クリ7ト運用台数約70%削減、現場作業人員約40%削減などの改善効果が確認されている。

■「RackBot」(写真4)とは
卜一ト·ケ一ス保管向けに開発されたGoods-to-Person型AS/RS。多品種SKUを取り扱う物流センタ一に適した設計となっている。ラック内部を移動する 「RackBot」と、地上搬送を担う 「GroundBot」によって構成。 「RackBot」が対象商品をラックから取り出し、「GroundBot」が作業ステーションまで搬送するため、作業者の倉庫内步数と歩行時間の削減に加え、作業品質の安定化や教育コストの削減も見込める。標準ラックを活用したシステム設計を採用しているため、高密度保管と柔軟なレイアウト設計の両立も可能。

■[Deep2RackBot」
トート ·ケース対応GTP型AS/RS 「RackBot」シリーズの次世代モデル。ダブルデイープ構成を採用し、従来のシングルディープ型に比べて保管密度を30%高められるほか、ハードウェア投資を50%削減できる。保管効率の高い大規模AS/RSとの設定で、スペース面に制約のある都市型物流施設での需要を見込む。処理能力の向上と資本効率の改善を武器に国内物流企業や製造業における倉庫自動化需要を取り込む。

■Rainbow Dynamics Ltdの概要
本社:英国
拠点:英国、米国、中国(製造拠点浙江省)、日本主な役員:CEO アルフレッド·チェン氏P型AS/RS [RackBot」 、 WMS, WCS
製品:4方向バレッ トシャトルAS/RS [4D Pallet Shuttle」 、ト-ト · ケ-ス対応GT

■(株)Rainbow Dynamics Japanの概要
本社:東京都千代田区神田鍛冶町3-4Oak神田鍛冶町7F主な役員:代表取締役CEO 田中純夫氏、取締役COO兼営業統括 サマ一·ウ一氏営業:国内システムインテグレーターと協業による間接販売が中心

WEB1 : スマート倉庫自動化・ロボティクス | Rainbow Dynamics

写真3 4D Pallet Shuttle
写真3 RackBot

https://logievo.com/wp-content/uploads/2026/08/2608LOGI-EVO.pdf